緑青色のキリン/森 真察人
生きられないから
裂けたロードコーンひとつの明かりで
星が見えなくなる公園
さびしい者を探した
凍える子うさぎのように真っ白なスニーカー
錆びた外灯の下に置き去られた君を
僕はしばらく撫でてから
交番へ連れていった
誰も僕よりはさびしくないのでしょう
君を警官に渡したときゼロ・ハチ・ゼロ、
と口走ろうと衝動した僕よりは
君も君の持ち主も
僕のためにしか愛せない僕よりは
緑青色のキリン
僕のすばらしい精神と
愚かな肉体と情緒とが正当に理解され
抱きしめられるその日すら信じず
僕は恥も知らずに霧の中
からからと笑い続けるしかないのです
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緑青色の
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