ゆめなかの夢/秋葉竹
1
深い森の奥で
いまあのひとは旅立とうとしている
黄金の光を身に纏い
短い一生を駆け抜けて
いまあのひとは旅立とうとしている
低い空に在る
赤い大きな月が
あのひとの最期を
見守ってくれている
晴れた夜空には
無数の星たちが
瞬いてくれている
いままで闘いつづけ
傷つきつづけた
その身体(からだ)を
その精神(こころ)を
ゆっくりと寝(やす)ませてあげてほしい
そして新しい生命(いのち)として
今度は闘わなくていい生命(じんせい)を
生きてほしいと想う
2
新しい夢が創造つくられる空へ
あなたは旅立とう
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