瑠璃色の鱗/
 
りました
鱗を剥がしたところは
グレーの地肌が剥き出しになって
海水が沁みましたが我慢しました

人魚の地肌が半分くらい見えるようになった頃
青年が描いていた絵を海に流しました
人魚はそれを追いかけて手に取ることができました
ところがその絵はどう見ても
海底に落ちて来た絵とは別人のもので
人魚の心を打つことは無かったのです

人魚はボロボロになった下半身を見つめました
悲しくなって海底でうずくまり眠りました
眠ったまま少しずつ浮いて
岸辺に打ち上げられ目覚めました

青年がギラギラとした目で人魚を見ていました
声をあげると何人もの人間が
人魚の周りにやって来ま
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