まにまにダイアリー?まつげちゃんとデジャブ/そらの珊瑚
だね、半年ぶり? 1年ぶり? と再会を控えめに喜びあう。
会って数分で小学生の女子児童に戻ってしまう感覚があった。
2人にしかわからないだろう感覚。
28歳の女の着ぐるみを着た女の子ふたり。
あの頃まわし読みをしていた別冊マーガレットはたぶん捨ててない。段ボールにつめて家の納戸かどっかにあるはず。
私たちはマンガの中で繰り広げられる大人の恋に憧れていた。
「これなんだけど」
まつげちゃんが私に差し出したのは、彼女の付き合ってる人のライブチケットだった。
「お金、払うよ」というと
「いーの、いーの。スタンディングのちっちゃな箱なの。そんでもお客さん入るかなって心配。もー来てくれ
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