思い出は語られるためにある/岡部淳太郎
スマホが故障したので新調したけれども、前に使っていたSNSのパスワードが確認出来ないためにそれらのアカウントも新しくせざるをえずに苦心していたタイミングでchoriくんの訃報を知った。39歳。あまりにも若すぎる。変な話だが、自死ではなく病死というのは数少ない救いだったように思う。
知っている人にはいまさらの情報だろうが、choriくんは千利休の子孫で裏千家の正当な跡取り息子だったはずだ。そんな彼が詩を書いて朗読をして音楽をやっていた。いっけん堅苦しいとも思える家系の中で、やりたいことをやって自由に生き、そして逝ってしまった。晩年(と言うにはあまりにも早いものだが)あまりにも自由に生きすぎたた
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