メタモルフォーゼ/ひだかたけし
カッピカピ
おひつに水入れず
ひゅぅうひゅゆう
夜に口笛吹き
ウオォッウオォッ
別れた妻の野獣の声、
陣痛室に響き渡る異様
脳裏から剥がれ落ち
ぴちゃりぴちゃり
反復されるこの宵の口、
人の内懐深く潜む
古月の揺動を観る
人、未だ獣の澱払い落とすことなく
獣人として宙、ふわりふわり漂い
意識の夢見を天使に抱かれ
動乱するも確かな形象の
現、生きていたと云う
今、己にして意識の視界
白銀に輝き明るく澄み 、
ぴちゃりぴちゃりウオォッウオォッ
ウォオッウオォッぴちゃっぴちゃり
ヒビキヒカリかくあれば 、
これ古月の反復の内に
躍動ノ思惟この宵の口
新た変容スルわれ息づいて 、
喧騒の昼間を過ぎ更に目醒め生き生きと。
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