どうしたあ/
由木名緒美
薄汚れた曇空から
ちぎれた臓物や心臓の残骸
パラパラと骨片がふりそそいで
どうしようと
大地に平伏していたら
神さまが耳をかきながら
真っ白い雲のうえ
どうしたあ と
呼んでもないのに現れた
真夏の空
入道雲
のんきな神さまの
あわれみのきもち
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