ロスト・チャイルドは未知なる世界の為に変異種的な成人をする/ホロウ・シカエルボク
 
にとってはどうでもいい話だけどね、いや、信じていないっていうわけじゃない、霊なんか居るだろ、どこにだってさ、俺たちと同じように勝手にやってるよ、それはともかく、少しは整地されているのかと思ったらそのまま崩れた建物が残されているだけだった、こんな場所に年寄連中を避難させようっていうのかね?別に偉そうなことを言うつもりもないけれど、やることが少し雑過ぎやしないかね?まあ、そんな話はともかく、夜の廃墟もなかなかオツなものだった、場所の記憶というようなものが、ハンカチみたいにひらひらとあちこちを漂っているような気がした、浴室の跡に腰を下ろし、そのまましばらくあたりを眺めていた、大人になると迷子になることが得意になる、子供の頃はあんなに怖くて仕方がなかったのに、それが俺をどこに連れて行こうが、誰かについて行くだけよりはずっと面白いところに行けるって分かっているせいなんだろうな。


戻る   Point(2)