別鏡/
ただのみきや
琥珀に眠る斑猫(はんみょう)
疾駆する瑠璃色の走馬灯
片腕を失くした子供らの
夢の泥土に開かれた
大地に
露出した
麒麟の骨
たわむれる わたしは
乾いた風の幽霊
過去すら定着しない
開かれた本の前
自分の匂いを探している
大勢の中のひとり
(2024年8月25日)
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