俺が岡田で、岡田が俺で/鏡文志
 
ある日、俺が起きると岡田になっていた。
岡田は俺のクラスメイト、いつも嫌なことばかり俺に言ってくる。
その岡田のいう『嫌なこと』がクラスメイトに、受ける。
面白いのだそうだ。俺に言わせればまったく面白くない。不愉快である。
さて、俺が岡田になった以上、僕に対して、なにをすればいいだろう。
そうだ、優しくしてやろう。辛い時、そうっとしといてやろう。
俺がそうすると、岡田はクラスメイトから不人気者になってしまった。
俺は今岡田だ。俺は今面白くない。でも、それでいいのだ。ワッハッハッハッハッ

ところで、俺は今岡田だけど、俺が岡田になって捨てた俺は、本当に岡田だろうか?
岡田は確かに俺を主張している。彼の主張は、俺が岡田だった時代を証明するものだ。
すると、岡田なんだろう。俺になった岡田は嫌なやつになって、岡田である俺を攻撃してくる。
俺は岡田になって大人気者だ。俺が岡田になって分かったのは、結局は集団というのは、どこまでいっても愚かだということだ。
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