沈没船の内訳は君のように俺のように/ホロウ・シカエルボク
、あらゆるものを「確かに少しおかしいなとは思うけれど、まあ、いいでしょ」みたいなところに収めちまう、コーヒーを飲んで、フランスの修道女が書いたとかいう詩集を読んでいると、異国の船の続報が流れた、乗客は全員死亡とのこと、お気の毒さま、様々な不慮の事故から死体を運び出す連中のことを思う、まったくどんな気分なんだろうね、仕事としてこなしているだけなのか、あるいは凄惨な現場に負けないくらいの使命感を持って働いているのか…それはきっと様々なんだろう、嫌々やっているやつだって居るかもしれない、でも、どんなやつがどんな気分でそれをしていたところで、不慮の死が滞りなく弔われるということは間違いじゃない、仕事なんて
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