日記(山)/岡部淳太郎
 
日々が山となって積もる
あまりにも積もりすぎて
日々の山は崩れる
麓の地平は突然の崩落に大騒ぎだが
俺は山の頂上にいて
ぐらつく足下も気にせず
泰然自若としている
日々は崩れる時は崩れるし
地平にのんべんだらりとしている時はそうしているものだ
俺は山の上にいるから
一番危険なはずだが
悠然として空を見上げている
そして何もない手元を見つめて
日々は不便を運んできて
それらもまた
この足下に積もって
山になるのだなどと思っている



(2004年8月20日)

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