詩想、「自己存在」という問い・今の私という境地3./ひだかたけし
空間を生きるものは、
光の中で存在を体験する。
時の流れを歩むものは、
創造行為の中におのれの力を感じる。
心情の深みの中にいるものは、
宇宙をみずからの中に見出そうとする。
空間の広がりの中から、
時間の歩みの中から、
心情の深みの中から、
魂が神霊の想いを語るー
〉おお、人間よ、汝自身を知れ。〈
それは、神の救済力の言葉であり、宇宙の形成力の言葉である。
しかしお前は、
深淵に注意を向けなければならない。
そうしないで、
いそいで境域を守護する私のそばを通り抜けようとすれば、
深淵から獣たちが現れて、
お前を呑み込んでしまうだろう。
お前自身
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