詩人がAIを倒す方法/完備 ver.2
おれはいまから
おれの足跡がいくつあるのか、真剣に数えたい
優れている作品3「激」
あなたはくちびるを固くとじて
わたしは
かみなりをきいていた
無人でない駅のひとごみ
ベンチに残る
前のひとの温度
夏 情欲とみまがうほど
はげしい雨が降って
わたしは乱雑な鞄のなかに
折り畳み傘を探していた
あなたは
消してはならない炎のように
愛を庇った
ほっそりとしたゆびで
夏 愛とまちがえるほど
はげしいかみなりをきいていた
あなたはくちびるを
固く 固く とじていた
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