啄木太宰へ/秋葉竹
 

 
てのひらを
眺めていても悲しみは
届かないから、詩を書くのです


あの夜に
流した涙のゆくえなど
誰も知らない、詩を書くのです


その涙
もしも世界に救われて
さえいればいま、ハッピーハッピー


人間は
失格なんてしないけど
罪を犯して、詩を書くのです



もう終わる
涙にすべてを塗りこめて
詩を書くバカの、云うメロドラマ









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