現実/鏡文志
 
雨が降っていました。
心に陰鬱が溜まっていました。
「バカばっかり。みんなみんな、死ねばいいのに」
心の中で、そう思いました。
思い出しました。嫌なことをされ、抵抗出来ませんでした。
「嫌な奴ばっかり。みんなみんな、死ねばいいのに」
枕元で一人、そう呟きました。
夜は孤独でした。
お月様に見放されていました。
「バカばっかり。みんなみんな、死ねばいいのに」
そう、心から願い、祈りました。
朝がやってきます。昼もやってきます。
スプーンもやってきますし、フォークもやってきます。
「バカばっかり。みんなみんな、死ねばいいのに」
夜が奪われました。闇を手放し、放り投げました。
でも、愉しくはなかったな。もっと、悩んでいたかった。
苦しい自分と、向き合いたかった。
「みんなみんな、生きている」
ハァ。
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