チューニング・ライフ/ホロウ・シカエルボク
うものなんだぜ、俺はその中に潜んでいる微かな声の方がずっと魅力的に思えるんだ、自分の内にあるものを表そうとして言葉を選べば、それがオリジナリティになるのは当り前のことだと思わないかい、誰かの真実が自分の真実に触れる時、胸に訪れる得も言われぬ興奮は、ちょっと簡単に説明出来るようなものじゃないぜ、あー、誰にも似合わないバッド・インフルエンスのニオイで街は縫製工場のストックルームみたいな空気さ、こいつはどうもあまり喉に良くないね、俺は顔をしかめて目についた喫茶店に潜り込みアイスコーヒーを注文する、そしてそれを時間をかけて飲み干す、少しマシになった気がする、うろうろしている連中の自意識はまるでペンキ屋のマ
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