しあわせのうた/秋葉竹
 


  

(短歌八首)



この腕を
走る青めの血の線が
あたしを冷たい女と告げる



最近は
みずから命を絶とうとは
どんな夜でも想わないのに


その刃物
みたいなうたが胸を刺し
謝らせてもくれない、残光



バカばかり
云って笑ったときのこと
忘れられない黄金の日々


水玉の
大きな傘のしたでした
涙のキスが懐かしいから


殺してと
命を賭けて云えたなら
いま吹く風は違ってたかなぁ



街灯り
遠くに眺めて歩いてた
ふたり無言で手をつないでた



なにもない
悲しみさえも無い夜に
届かないけど、しあわせをみた







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