初秋/山人
 
ことが多くなり、会話も増えていたりする。それぞれが個々の趣味や楽しみを満喫し日々を送るというスタイルになってしまっている。ただ今後妻が仕事を辞めた後、あるいは私の実父が死んだ後にはどうするのであろうか。熟年離婚という選択も彼女に残されているのであろうし、それを留める力も私にはない。
 いまが第二の人生なのだろうと思う。この先に第三の人生があるのなら、そこに向かう気力はごくわずかな気がしている。とにかく、無理をして働き、キチガイのような労働をこなし、そしてまだこうして老体に鞭打っている。これだけ労働したのに、何も豊かにならない。それはすべてにおいて、私自身の問題なのだろうし、まともな思考ができない
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