聖なる夢見/ひだかたけし
やはらかな
羽毛に包まれ
小枝の葉繁る上に
ちいさな細身の肉担い
ぽっと現れた 、アナタ
仄か純白に輝き在りながら
黒々とした髪や伸び映えた髭
誰 ?
問う迄も無く一目で私は分かってしまう
ふしぎと何故か不思議にも
さっきまで、
眼前に掛かった灰のカーテン膜
無きものにしようと
両手指で必死に掻き毟っていた私には、
今や、奇跡の如く当然に
わかっている 解って居る、
あゝ貴方 、
なんて安らかに横たわり
やはらかたく瞑目し
既にこちら側に生きられて 。
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