かざぐるま/
本田憲嵩
かざぐるま、
塩化ビニル製のお面とともに、
ズラリと屋台にならんで、
カラカラと回っているもの、
とてもにぎやかな八月の祭りのひ、
ほとんど蒸しているような、
なま温い風を、
涼しげな、日本の夏の風へと彩ってゆく、
とても風情あるもの、
季節が過ぎさって、
たったひとつだけになっても、
冷たくなった秋の風に、
ひと夏の恋の想い出を空々(カラカラ)と回しつづける、
とてもさびしいもの、
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