残虐な憲法/由木名緒美
親が爆破に巻き込まれても
我が子がガレキの下敷きになっても
朝起きて、開けるカーテンがありません
ガレキの家に窓などはなく、直接太陽が顔を出すからです
人生が終わる時
隣にいるのは大切な人 ではなくて
柔らかい布団でもなく
病院は廊下まで血まみれで
迷彩服を着た兵士の抜き身の銃か
戦車で一思いに死ねるならばまだよく
破裂したクラスター爆弾の破片によって
手足が吹き飛んだり、目玉が飛び出たり、火炎放射の炎によって
地獄の痛みの果てに死を待つのかもしれません
うめき声のこだまする
町の路地裏で……
そんな、非日常が日常になろうとしています
ウク
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