楽園。/あらい
いいか、この街は空の鮮やかなことを知っていたら。いま、支離滅裂に開いた口を塞ぐ。その仕草も全部あまい。それではまいにち同じことを繰り返して。いつかはハツカネズミの供色で。たぶん海のひかりは愛情だったと
あなたはだからはだら雨音に近くなると。重いものとをおおいかくす陽も まっさらだった死にぞこないの 無彩色をつくったものの
だからきみの、鈍い脆さで滑って統べいる椅子が しあわせばかりは変わらないずさんなみちで。丁寧に拭いては合言葉をなくす。耳朶におとし、躊躇わずに恋える
それは傷も凹凸もわからないから。幾重の草藪を分けて、泣いて。やっぱりのばらのいばらだけれど
未整理の享年
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