早朝、出勤前-観察者の端くれの説く、万物の変-/鏡文志
 


観察し続ける人々は、思いのままに生きていない面、人々から変わっていると言われてしまう。
じっと観察し続けていれば、この世に変わっていないものはなに一つないと気づかされるであろう。


海は変わってる。
防波堤がなければ、大陸を飲み込み、全てを破滅させ死滅させてしまうだろう。

川は変わってる。
時に、弱々しく。時に、荒々しく流れ、いざとなれば大暴れ。

湖は変わってる。
その美しさの中に、弱さ脆さを讃え、存在の儚さを教えてくれる。

空は変わってる。
空があるせいで、地上には天国がない。

太陽も変わってる。
その熱視線と紫外線で人の気分を左右させる。
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