早朝、出勤前-観察者の端くれの説く、万物の変-/鏡文志
 


愛は変わってる。
憎しみと怒り純粋性を拒否し、無駄や無意味の中に、人を埋没させる。

夢は変わってる。
現実を飲み込み狂気の世界に人を一喜一憂させる。



ありとあらゆる欲望の拡大と、不都合性。万物は調和を保ちながら、思いやりと想像力に依って繋がりを保ち、綱引きのように、力比べをしながら、見えないルールで、引き分けを演じ続けている。

であるからこそ―――



海は分かってる。
自分がいなければ、あらゆる生命は生きながらえることは出来ないことを。

川は分かってる。
太陽に晒され、流され揺蕩いながら生きるものたちへの労りを。

湖も分かってる。
[次のページ]
戻る   Point(5)