わたしは鳥/あらい
水の中で光が切り取られている
薄墨か燐光か。
それは待つ者のための、しろい守護霊だ
かるく拾おうとして
おもうようにはならない
まるで低い低い夜風が息を切らせる
それはヒスのような扉ではなく。
憂鬱な深い沼地でもなく
澄んだ湖でもなく
まるで弱さを漏らした水垢の細い縞は
眼鏡に溶かされた一枚のショール
風にほどけてみせた、銀の櫛で髪を梳く
あまいろの夕暮れは トレスの琥珀
冷たいぬくもりなんて砂糖菓子を
ざっくばらんに摘んで
口にしただけ、なのです
つまらないな。
なんてつるんとした外套の言葉だと
アンバランスな中でたゆたう
街は簡単に洪水になる
それで舟人のカードをめくっては
探しているのか水郷を
もっとも痛覚はデザインでも
まなうらは希望もそこにないのですか
わたしは烏
ゆくえもまたたきも忘れたかのように
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