凝視/這 いずる
 
羽虫がいちばん嫌いで
ゴミの日にゴミが出せなくてね
朝、シャワーを浴びるの
冷えた体が温まるように
今日の血を回す
一生涯かけて流星になると誓った
私たちがたどり着いた大気圏が
どこの地平でも
平等に朝と夕方が美しい
空 だけ見て
私が紛れた地平の住処に
孤独を感じる
夜、さまよって、
ひとつひとつの
家、灯り、あたたかな
居場所は無い
星が瞬いている
晴れた夜空が藍色で覆う
月並みな慣用句を使う
吸って吐く息が
息が 息が 息
足どりが普通の人のように見えるか
きちんと見えるか
ちゃんとしているか
私は人間に戻れているか
人間になれないのなら

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