※五行歌 六首「のっぴきならない 生(せい)」/こしごえ
 
名の無い私は
名の無い鳥に
おまえは生きろと言われ
突っ立つ
そして名付けた



時々は
休みながらも
進むしかないんだ
一歩一歩
この命と共に



終りを
見つめると
浮かび上がってくる
のっぴきならない
生(せい)



見えない
けれど
在る
空気
こころと魂



大好きな
蜩の歌声を
聞きながら
生きている
雨上がり

 ※ 蜩=ひぐらし。別名、かなかな。



息をしていない絶望を
葬送する
生(せい)の
深い
まなざし
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