とある夏の終わりの風景/秋葉竹
海より明るく輝く笑い声で笑い
飛び跳ねて
とっても陽気でへんてこな踊りを踊っていた
夕陽はまだ沈み切らずに
水平線とみわたせる世界すべてを
ゆっくりと朱色に染めてゆき
それをみている僕の白目も
その色に染まっている気にさせた
お爺さんと孫娘さんが2人とも
じぶんのパラソルへ帰って行ったのを
なぜか最後までみ送って
僕は丸めた銀のビニールシートと
閉じて丸めた七色パラソルを抱えて
サンダルでヨタヨタと砂浜を歩いて
駐車場までなんとか辿り着く
砂まみれのサンダルを一度脱いだとき
海を振り返ると
ちょうど水平線に夕陽が沈み終える瞬間
あっ、
と声が出てしまって
周囲をみまわし
想わず照れてちいさく笑ってしまう
あゝ、夏も終わるのかな
でもこの夏の最後に
とてもちいさく可愛い詩人さんに
出会えて
なんだかとても幸せだと想った
いいよね
『じいちゃん、海とってる』
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