詩想、「自己存在」という問い?今の私という境地1./ひだかたけし
大地の上に、色さまざまに
生命の創造力が開示されるとき、
大地の素材から、さまざまな形で
生命なきものが創りだされるとき、
それを感得した魂が、意志の力で
おのれの生存の喜びを強めるとき、
おお、人間よ、お前が大地と風と光から
おのれのからだを受け取るとき、
そのときお前は、自己存在の
深くて冷たい闇に歩み入る。
そして、広大な闇の中で、
自分が誰なのか、誰だったのか、誰になるのかを、
決して問おうとはしない。
自己存在のままであれば、
昼は魂の夜に、霊の闇に変わってしまう。
だから、お前の魂は、悩みながら、
光へ向かい、闇から脱却しようとする。*
*ルドルフ・シュタイナー『秘教講義1』より
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