夏空の下/秋葉竹
 

ローン35年と言う看板が見えたときに、
ふと

あと35年生きられるなら
オレはなんだってできるだろう。
オレは何者にだってなれるだろう。

なんて想ってしまった

たぶんなにも変わらないのに
なにを想っても
休みが終わればまた
あの通勤電車ではるかな道を
いつまでかつづくかぎり
ゆっくりと
ゆき
ゆきつづけるのだろうけれども

たまに夏空の下
ドライブしている颯爽としているオレだから
そんな夢みたいなトクベツなじぶんを
夢みてもいいじゃないか
らしくない夢でも
このほんの短い時間だけでも
陽炎みたいな夢を
ちょっとくらいみてみても
いいじゃないか


逆転を
したい訳でも生きるのが
嫌いな訳でもない道をゆく








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