日記(しずか)/岡部淳太郎
 
けっきょく、しずかになってゆくことが、このいのち
のもくてきであることをしる。はとうのようにおしよ
せるむねのいたみも、あれくるうふううのような、じ
んせいのじけんたちも、あとからふりかえれば、すべ
てしずかであることにしゅうれんしてゆく。そこにい
たると、すべてのかこもげんざいも、あるいは、みら
いへのふあんも、どうでもいいことになってくる。く
もがゆっくりとうごき、よるのほしがしりょぶかけに
またたき、それらのしたで、すべてのきおくもちしき
も、ひとつのかたいいしのなかにぎょうこしてゆく。
そのいしをむねのまえにだいて、しずかに、ここにあ
ることだけをいしきする、そんなし
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