八七夕/本田憲嵩
短冊、
ほそい笹の木にとりつけた、
さまざまな、
にっぽんの夏のいろ、
ゆうがたにリアカーをひいて、
みんなで町内をいっしゅうする、
ものらるのラジカセが七夕の唄をうたう、
そのうち日が暮れてきて、
ささやかな花火を星空にうちあげる、
なかよし公園にはあざやかな浴衣を着た、
みなみちゃん、
もいる、
ほんのちょっとだけ風が涼しくなってきた、
一カ月おくれの、
きたぐにの夏のよるの、
ささやかな風情、
おうちでは、
おかあさんと、
つめたい、
くしがたぎりに切られたスイカが、待って、くれている、
戻る 編 削 Point(10)