光に希み闇に祈る/秋葉竹
 

 

俺は「無」から生まれた
なにも苦しみや悲しみや絶望や失望から
生まれた訳じゃあない

膨張する欲望を
慎ましく隠し込むことが
正しさに似たおこないだと
知ってずっと
知ったままで生きつづけて来た

なぜか膨張をつづけているはずの宇宙には
時が流れているのに
まるで常に誕生しつづけているかのように
すべてが綺麗に揃ったまま
「有」から消滅に向かっていると云う
「無」では測り切れない放射により
光り輝きそのうちゆっくりと膨張し
背景を忘れた頃に
暗黒を知り
諦めて消滅に向かうことを目的として
質量を失い切るために
縮小してゆく

俺が欲しいの
[次のページ]
戻る   Point(3)