五行歌、月なるもの/
ひだかたけし
猥雑な迄オレンジ
染まり輝く満月
熱帯夜の屋根瓦の上 、
浮かび在るをふと捉え
月の磁力、否応無く深々と
あの日、師の逝去の
報せと共
外出した夕闇に 、
満月 巨大に濃密な黄
死そのものの匂い発散させ
光の綺麗に放射状に
まあ あんなに真っ白輝いて
変わり身の速いことよ 、
あんた満々
真ん丸お月さん
いつもの様に深夜に目覚め
ふとガラス戸開け見れば
クレーター 鮮やか 、
満月の浮き彫りに
西空に浮く異様な威容
戻る
編
削
Point
(5)