モンスター/涙(ルイ)
 
音が聞こえたような
そんな気がしながら 言われるがままに土下座している自分
涙なのか悔しさなのか怒りなのか絶望なのか
言葉に出来ない感情があとからあとから湧いてくるようで
お母さんに悟られないように 必死で堪えた




あゝ この人はもう 昔私がまだ好きだった頃のお母さんじゃない
この人は私のことなんか何も見てやしない
成績優秀な子ども 有名私立に通ってる子ども
医者になった子どもを持つ母親と 他人からスゴイですねなんて言われて
見栄と虚栄心と優越感を存分に満たしてくれる
ただそれだけの それだけの
モンスターに過ぎない


私はこの人の道具じゃない
医者に
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