すきとほる(改訂)/ひだかたけし
 
雲は私の髪の毛、
乳房は母の余韻、
素肌は記憶の私、

揉みしだいても叩かれても

肉の実感、魂の実感へ至らずに 

何時しか何処からか流れ来る光の帯 、

 すっとすぅうと
  何処までも拡がりゆき
   やはらかく閉じたり開いたり

やがてこの濁り虚しき肉の執着の時空 すきとほる


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