第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
って
くるから」
淑乃「うん」
信代「それだけかいな。まあ
蘭子も遠足行くみたいにし
て出てったけどなあ。うちの
人ボロボロ泣いてるのに――
よっしゃ、そしたら行こか」
教平「はい、お願いします」
信代の助手席に乗り込
む教平。信代も運転席
へ。
発車。遠ざかる車をじっ
と見ている淑乃。車、
やがて視界から消え去り。
信代「ただの肥えた子産んだ覚
えはないんやで」
淑乃、少し涙ぐむ。
〇バスターミナル・外
信代の車が停車する。助
手席から降りる教平。信
代に深く頭を下げる。ク
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