第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 

 らな。よう知ってるやろ」
教平「はぁ」
雅之「健ちゃんの傍にいたいっ
 ていう一途な気持ちじゃん。
 でも蘭子ちゃん入ったら、
 お姫様役に困らなくなるな、
 うちの一座も」
健介「いやぁ、とてもお姫様
 いうガラやないで、あれは」
   笑う三人。
雅之「そうだねぇ。どっちかっ
 ていうとほら、
お蔦やったあの子」
教平「黒沢先輩ですか」
雅之「そうそう、黒沢さん。
 あの子の方がお姫様タイ
 プだよね。進学したんで
 しょ。帰ってきて観にこ
 なかったの?」
教平「はい。去年は観にき
 てくれたんですけど――
 敬造さんに訊いたんです
 けど、
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