第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
やがて直人も泣きだす。
担ぐ教平、担がれる直人。
二人泣きながら、大歓声
と拍手の中、土俵を周り
続ける。
〇市民会館
市民文化祭当日。一座の
『一本刀土俵入』が上演
されている。大詰三場<軒
の山桜>、最後の場面。
美花(お蔦)「『お名残りが惜
しいけれど』」
教平(茂兵衛)「『お行きなさ
んせ早いところで。仲良く丈
夫でおくらしなさんせ。ああ
お蔦さん、棒ッ切れを振り廻
してする茂兵衛のこれが、十
年前に、櫛、簪、巾着ぐるみ、
意見を貰った姐さんに、せめ
て、見てもらう駒形の、
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