第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
直人振り向き、健介を見て小
さく頷く。
蘭子「教平ちゃんの名前もあるわ」
教平「そら出るんやからあるわいな」
健介「田中とは別の山か。決勝まで
当たらんのやな」
美花「そしたら田中くんが途中で負
けたらやで、神田くんがなんぼ勝
ち続けても対戦できひんやんか」
健介「それはないやろ。あいつは決
勝まで絶対に勝ちあがってくる。
なあ」
頷く直人。
蘭子「けど、なんかイヤな感じやわ、
その田中っていうの。自慢たらし
気に相撲のときにこっち戻ってき
て」
健介「まあ、優勝したら花代十万貰
えるしな」
蘭子「十万! マジ! 神田先輩、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)