第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 

 す理由もないし、その気もな
 い。帰るわ。相撲の稽古せな
 あかんのや」
   末永に背を向け、歩み出
   そうとする教平。
末永「待たんかい、こら!」
   末永、拳を振り上げ殴り
   かかろうとする。
   振り返り、その手首を左
   手で掴む教平。
末永「ぐっ……おまえ、なにやっ
 とるんじゃ」
   教平、末永の手首を握っ
   た左手に力を込める。
末永「離せ……離さんかい、こら」
   右手で末永の額をがっちり
   掴む教平。
末永「ぐわっ」
教平「毎日握力鍛えてる。神田先
 輩のまわし掴むのたいへんやか
 ら」
   ぎりぎり
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