第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
てるんだけど、 俺もせがれも
ご覧のとおり細身だしね。似合
いの座員もいなくてねぇ。でき
ないでいるんだよね。いっその
こと腹にアンコ入れてやってや
ろうか、って思ったこともある
んだけどね。それじゃあお客様
の心に響くいいものはできない
からねえ――高野くん」
教平「はい」
篠崎「駒形茂兵衛にうってつけの
いい体をしている。それになに
より目がいいよ、きみは」
教平「目?」
篠崎「ああ。憂いのあるいい
目だ。役者はつまるところ
目なんだよ。きみならいい
駒形茂兵衛を演じることが
できるはずだ。頑張ってみ
なさい」
微笑ん
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