第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 

   美花の美貌に見惚れる蘭子。
美花「ん?」
蘭子「あ、いえ」
   三年男子Aの前に立つ教平。
   長机の上、コサージュの入
   っていない小箱。
A「こっちもう済んだで、黒沢さん」
美花「え、あれ。なんでやろ」
教平「あの」
美花「あ、こっちの箱にあるわ」
   コサージュをAに渡そうとす
   る美花。
A「黒沢さんがつけたれや。あー、
 しんどかった」
  去ってしまうA。
美花「もう、しゃあないなあ。ほん
 まは男子は男子からつけてもら
 うことになってるんやけどわた
 しが付けてもかまへん?」
教平「あ、はい」
   美花にコサージュをつ
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