第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 
悶し続けている。

〇山ヶ崎高校・旧宿直室・室内
   六畳間に座っている美花、
   健介、蘭子。三和土に立っ
   て俯いている教平。
美花「やめたい理由、教えてくれ
 る?」
教平「それは――やっぱりぼくに
 は向いてないって思うし。足引っ
 張ってるだけやし」
健介「相撲はどうするんや。神田
 から練習休んでるって聞いたけ
 ど、そっちもやめるんか」
   小さく頷く教平。
蘭子「ほんまの事言ぃや」
   蘭子を見る美花と健介。
蘭子「こないして下向いてボソボ
 ソいうときは嘘ついてるときな
 んです。なぁ、昔からそうやん
 なぁ!」
   教平、
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