第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 
板。
   その様子を土俵下から見
   ている教平と健介。
健介「神田直人。幼稚園からの
 ツレや」
教平「はぁ」
健介「その頃から相撲が好きで
 な。ほんまはな、峰栄学園の
 相撲部に行くのが夢やったん
 や」
教平「峰栄の相撲部ですか」
健介「うん。けど、無理やっ
 た。あそこ私学やろ」
教平「はい」
健介「小五のときに父親が交通
 事故で死んでな、おまえといっ
 しょの母子家庭や」
教平「――」
健介「昨日の夜桑田から電話で
 聞いた。おまえのところは病
 気らしいけど」
教平「――あのしゃべり」
健介「卒業したら知り合いのやっ
 てる板金工場
[次のページ]
戻る   Point(0)