第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 
べつに興味も
 ないし。それに、ぼくなんか
 がやったって、みんなの足
 引っ張るだけやし――昔か
 らずっとそうやったし」
   ため息をつく蘭子。
蘭子「ダメだこりゃ。すみま
 せん先輩こんなの呼び出し
 て。わたしが間違ってまし
 た」
健介「やったことないから、
 やるのとちがうんか?」
教平「え」
健介「そんなもんちゃうんか
 な」
教平「……」
美花「高野くん、他にはなに
 か言われへんかった、おじ
 いちゃんに?」
教平「はぁ――相撲の稽古や
 れって。そんで、ナントカ
 茂兵衛のリアリティー出せ
 って」
美花「やっぱりなあ。そうい

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