第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
 
る玄次を見上げて。
敬造「玄の字」
玄次「なんじゃい」
敬造「おまえほんまに自分が駒
 形茂兵衛やってええ芝居にす
 る自信はあるんかい」
玄次「――そら、あるわい」
敬造「ほんまにか」
玄次「それは……」
敬造「そやろが。なんぼ体型
 が相撲取りに近いからいう
 て、それだけでは駒形茂兵
 衛はおまえにゃ務まらんわ
 い」
  後ろに身を倒す敬造。天
  井を見上げる。
敬造「やっぱり今年の市民文
 化祭の演目は『瞼の母』で
 いく。主役は去年に続いて
 健介や――あー、夢やった
 んやけどなあ『一本刀土俵
 入』、やるのなあ。もう一
 生無理かもなあ
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