Invisible奇候/あらい
 
た気配がないから結局、のろのろと拙い否か応か。あぁ萬畫のような素形だと遠くを看做(みな)し、ふくよかな私すら消し去るのでした。オシマイ。なんて葬するより鮮明な首を切る? もうすぐこれが手を握るの。だからぎゅっとよかったね、コレが視野調和の習慣
 そこまでの道のりと憶病で柔らかい棘であり、歪んだ小花が微動だにせずに、一冊の手記を携え喫茶店を訪ねたのか。その所為? と口を挟み、どこへでも翔けることが叶うようであった。とはいえ屁理屈は訪れ藍色の海のみなそこを現した、水葬に浮いている擬声と愛されることに、一斉にひぐらしと暗示して、なら。初夏はいま錆色の空に似つかわしくない香炉ひとつが与える情感であ
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