ひとつ 小さな/
木立 悟
笑みたちは
皆いっせいにはにかんで
見える姿も見えない姿も
光のうしろへ駆けてゆく
ひとつの手の上
ひとりの鳥
空をすぎゆくものたちの影
音と光のかたちは染まり
空と同じ数だけひらめき
見つめる水に降りそそぐ
川のはじまりの音が聞こえる
水たまり 泉 湖 瞳
ひとつのかがやきにたどりつき
ひとつよりもっとかがやいて
光のうしろに隠れている子を
花のように手招いている
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